理科の中学受験対策


みなさん、こんにちは。

受験ドクターの理科担当の伊達直人です。

理科の学習のほうは順調に進んでいますか?

今回は「理科の中学受験対策」についてお話ししたいと思います。

 

 

【理科が苦手な理由】

中学受験の科目の中で理科が苦手だ、理科が嫌いだ、という生徒はけっこう多いです。

理科が苦手な理由として次の2つを挙げる生徒が多いです。

まず第1に、理科は生物、地学、物理、化学と分野も多く覚えることが大量にあるから。

第2に、理科の計算問題が難しいから。

 

理科は受験対策がしやすい科目

では、これらの理由について考えてみたいと思います。

まず、第1の理由の「理科は分野が多く覚えることが大量にある」はどうでしょうか?

確かに、理科には生物、地学、物理、化学の4つの分野があります。

しかし、それら4つの分野すべてが覚えることが多い、知識系のものではありません。

その辺を整理する必要があります。

理科の中で知識系の分野とは生物と地学です。

化学の中にも、多少知識系に入る単元もありますが、知識系の分野の中心は生物と地学です。

特に、生物の分野の植物、動物、人体は覚えることが中心の単元です。

ただし、これらの知識系の分野や単元にしても、社会の地理、歴史、公民のあの膨大な知識の量に比べると2分の1、3分の1の分量にすぎません。

他方、物理、化学は計算系の分野で、生物、地学と比べると覚えることはそれほど多くありません。

 

次に、第2の理由の「理科の計算問題が難しい」についても考えてみましょう。

理科の4つの分野の中で計算系は物理と化学です。

実は、中学受験の物理・化学の計算問題はほとんど解法のパターンが決まっています。

解き方のパターンさえ覚えていれば楽に解けます。

その解き方のパターンも算数ほど多くはありません。

しかも、その解き方は大半が比例式を使うものです。

このことは電気の計算しかり。

力学計算しかり。

化学計算しかりです。

 

要するに、理科は覚えることが大量にあるということも、また、理科の計算問題は難しいということも正しくないのです。

 

言い換えれば、理科は非常に対策が取りやすい科目だということです。

なぜなら、理科は社会にくらべて覚えることはそれほど多くないし、計算問題も解き方のパターンさえ覚えれば楽勝で、しかも解き方のパターンの数も算数ほど多くないのですから。

 

 

中学入試における知識系と計算系の比率

実際の中学入試の理科の問題で知識系の問題と計算系の問題の比率はどれくらいでしょうか?

一般的に、知識系と計算系の比率は7:3と言われています。

中学入試ではよく7割取れれば合格といわれます。

もし理科の入試問題の7割で出題されるという知識系の問題で満点かそれに近い高得点が取れればそれだけで理科では合格点が取れます。

もちろん、難関校では計算系の比率は上がる傾向にありますが、たとえ難関校でも知識系の問題がゼロになるということはけっしてありません。

知識系の問題は知っていれば確実に得点になるのですから、ぜひ知識系の問題で点数を稼ぎたいところです。

少なくともみなが知っているような知識系の問題では失点してはいけません。

 

 

 

丸暗記の問題点

では、どのように理科の基礎知識や計算問題の解き方のパターンを覚えればよいのでしょうか?

とにかくひたすら丸暗記がよいのでしょうか?

実は、丸暗記には二つの問題点があります。

まず、丸暗記した知識は時間とともに忘れやすいことです。

テストの前日に丸暗記したことをテストが終わればきれいさっぱり忘れたという経験はなかったでしょうか?

このように、丸暗記、機械的に覚えた知識は定着があまりよくありません。

丸暗記の二つめの問題点は、丸暗記で覚えた知識はテストのときに頭の引き出しから取り出しにくいということです。

丸暗記で覚えた知識は一問一答的な単純な問題には向いていますが、グラフや図表の読み取りのようなひねった問題には丸暗記した知識は使えないことが多いのです。

 

 

理科の学習で大切なこと

理科の学習で大切なことは知識を丸暗記することではなく「なぜそうなのか」と理由を理解することです。

中学受験の理科では「なぜそうなのか」という理由を理解してから基礎知識や計算問題の解き方のパターンを記憶した方が、「覚えた知識が忘れにくく」、また、「テストの時に頭の引き出しから取り出しやすい」のです。

 

 

知識系の学習はイメージを、計算系の学習は根本原理をつかむのが近道

生物、地学のような知識系の分野を学習するときは、必ずテキストや参考書にある図や絵も自分で書くようにしてください。

図や絵を書くことによって頭の中にその単元のイメージができます。

イメージはその単元の理解を助け、知識を忘れにくくしてくれます。

 

また、物理、化学のような計算系の分野を学習するときは、その単元の根本原理を理解してから問題演習に入ってください。そうすることで、計算問題の解法のパターンも覚えやすく、すこしひねられた問題にも応用の効くものになります。

 

では、最後に具体的な理科の学習法を紹介します。

 

具体例1:星の動き

たとえば、星は1時間に何度動くのでしょうか?

また、星は1か月に何度動くのでしょうか?

15度なのか?

30度なのか?

星の動きを丸暗記にだけたよっていたらテストの時にどちらがどっちかわからなくなってしまう恐れがあります。

丸暗記していれば一度忘れればそれまでです。

しかし、これを丸暗記ではなく「星が動いて見える」理由を理解していれば、たとえ数字自体を忘れてしまってもその場で正解が導けます。

星が動いているのではなく地球が動いているから星が動いて見えるのです。

星の1日の動きを決めるのは地球の自転です。

地球は1日に1回自転します。つまり24時間で360度回転するので、地球は1時間に15°(360÷24)回転します。これが星が1時間に15度回転して見える理由です。

 

また、星の1年の動きを決めるのは地球の公転です。

地球は1年かけて太陽のまわりを1回公転します。つまり12か月かけて360度回転するので、地球は1か月に30°(360÷12)回転します。これが星が1か月に30度回転して見える理由です。

 

このように、理由を理解して覚えていれば、理科の知識は忘れにくいですし、たとえ数字を忘れたとしても、理由から数字を導き出せるのです。

 

次に、星の動きの計算問題にもチャレンジしてみましょう。

 

たとえば、8月8日午後8時に星Aが北極星の真上にあったとします。

8月8日午後10時に星Aはどこに見えるでしょうか?

 

同じ日の2時間後に星Aは何度動きますか?

星は1時間に何度回転するのでしたか?

星は地球の自転のために1時間に15度動いて見えるのでしたね。

2時間で30度回転します。

また、北の空では星は北極星を中心に時計の反対回りに動いて見えます。

ですから、星Aは8月8日午後8時の位置から反時計回りに30度動いたところにあります。

 

では、もうひとつ。

ふたたび、8月8日午後8時に星Aが北極星の真上にあったとします。

9月9日午後6時に星Aはどこに見えるでしょうか?

 

この問題は星の1日の動きと星の1年の動きにわけて考えます。

まず、星の1年の動きから見てみましょう。

8月8日午後8時から9月9日午後8時までの星の動きを考えます。

つまり、1か月後の星の位置を考えます。

星Aは8月8日午後8時の位置から反時計回りに30度回転した位置にあります。

 

次に、星の1日の動きを考えます。

9月9日午後8時から午後6時までの星の動きを考えます。

つまり、2時間前の星の位置を考えます。

星Aは9月9日午後8時の位置から時計回りに30度回転した位置にあります。

 

実は、この問題の答えは「星Aは動かない」です。

星Aは星の1年の動きで反時計回りに30度回転し、星の1日の動きで時計回りに30度回転します。つまりプラスマイナスゼロというわけです。

 

 

 

まとめ

理科は中学受験対策が取りやすい科目です。

理由は、社会の膨大な知識量にくらべ覚える知識の量は多くはないからです。

また、理科の計算問題もパターンで解ける問題がほとんで、その解き方のパターンも算数ほど多くはないからです。

理科の学習で大切なことは「なぜそうなのか」と理由を理解することです。

理科の知識を覚えるときには、図や絵を自分で書いてイメージをつかむようにしましょう。

また、理科の計算問題は、根本原理を理解してから解き方のパターンを覚えるようにしましょう。

 

以上、ぜひお試しください!