中学受験の算数の対策 -基礎力を高める-

 

 

みなさん、こんにちは。受験ドクターの相川優一です。

受験ドクターで算数、国語、理科、社会の四科目を指導させていただいている幸せな講師です。

今日は速さの問題を例に中学受験の算数の対策について話をしてみたいと思います。

基礎力を高める

「基本が大切」よく聞く言葉です。言わない先生はいないと思います。

 

なぜなら、真実だからです。

 

ただ、ここからが問題です。

 

「基本」て何?具体的に答えられるでしょうか?

 

結論からいうと、生徒それぞれによって異なるので簡単に答えることは出来ません。

 

算数でいうなら小学生1,2年生の基本は足し算引き算、小学3,4年生の基本は九九といったところかもしれませんが、受験生の基本は段階をおって上がっていきます。

 

私の基本方針としては基礎と思える部分を増やしていくことです。

速さの問題を例に基本の段階的成長と指導の仕方を説明します。

<段階1(偏差値40の基礎)>

速さの3公式

①速さ×時間=距離

②距離÷時間=速さ

③距離÷速さ=時間
速さ、時間、距離の図

右の図とセットで覚えさせます。視覚化し、長方形の面積を距離とすれば3つの公式が当然であることがわかるはずです。たくさんの問題を解かせます。時速60キロで40分走ると?などの問題で、60×40=2400などとやらず、60×=40㎞とすれば段階1はクリアです。

<段階2(偏差値45の基礎)>

典型問題の解き方を覚える

①旅人算

②通過算

③流水算

④時計算

こういった問題を応用問題と捉えてはいけません。難しくしようと思えばいくらでも難しくできるところですが、これらの典型問題はあくまでも基本です。それぞれ20問程度の典型問題を覚えたら第2段階クリアです。

 

<段階3(偏差値50の基礎)>

比を使いこなす

①行きは時速40㎞、帰りは時速60㎞のとき、行きと帰りにかかった時間の比は3:2と違和感なく感じさせます。なぜ逆比になるのかが大切です。

比をつかいこなす

②ある自転車と15分間隔で走っている電車が12分ごとに出会います。自転車の速さと電車の速さの比は1:4と即答させます。

比をつかいこなす 図2

同じ距離を自転車は12分、電車は3分、よって速さの比は1:4となります。

この問題を難しいと感じない、基本と感じるためには、同じ距離であれば必ずかかった時間の逆比が速さの比になることを納得させます。納得しない生徒が必ずいます。そういった場合は具体的な数値で当てはめをさせます。60kmにAくんは30分、Bくんは40分かかる場合と100kmにAくんは30分、Bくんは40分かかる場合は具体的な速さは異なりますが、速さの比は変わらないことを繰り返し説明します。上位生の基礎力といっていいかもしれません。

 

<段階4(偏差値55の基礎)>

特殊な問題を当たり前にする

  1. 歩数と歩幅の問題
  2. 動く歩道問題
  3. 特殊な時計算
  4. その他
    1. 父が2歩で進む距離を子供は3歩ですすみ、父が5歩歩く間に子供は6歩歩く。子供が40歩歩いた後に父が追いかけると、父は子供に何歩で追いつくか。歩数と歩幅の問題は段階2の旅人算をまずは意識してもらいます。次に段階3の速さと比の問題であることを意識してもらいます。父が2歩で歩く距離を子供は3歩で歩く。父と子供の一歩の大きさの比は3:2一歩の大きさの比は3:2
      父が1歩3で5歩歩く間に、子は1歩2で6歩歩くとなると同じ時間で3×5=15、2×6=12距離を歩くことになり、速さの比は15:12=5:4になります。ここを何度も強調します。

      ここからは比を使った旅人算です。
      旅人算

      子供は歩幅の距離でいうと80先に進んでいます。①が80なので⑤は400歩になります。父の歩幅は3なので400÷3=133歩で追いつくことになります。

    2. 動く歩道問題も基本的には比で考えます。動く歩道に最初から最後まで歩かずに止まっていたら、50秒かかりますが、動く歩道を歩いて渡ると30秒かかります。歩く速さを2倍にしたら何秒かかりますか?動く歩道の速さ:動く歩道+歩きの速さの比が分かります。3:5です。段階3の基本であることを確認してもらいます。動く歩道の速さは3、歩く速さは5-3=2となります。歩く速さを2倍にすると動く歩道の速さが3、歩く速さは4となるので7の速さになります。距離を3×50もしくは5×30とおくと距離は150となり、150÷7=21秒となります。
    3. 特殊な時計算はやり方を知らなければかなり面倒ですが、図形化して段階3の比で考えれば簡単に解けることを示します。ある時計は正午の時報のとき午前11時58分を指していて、午後6時の時報のときは午後6時6分でした。この時計が正しい時間を指したのは何時何分ですか?時計算

      時計算が相似図形の問題にかわることを示します。18:00-12:00=6:00を1:3で分ければ答えになることを納得させます。6×=1.5よって13時30分が答えになります。

      この段階での大切なポイントは一見難しいと思える問題を既知のものとして、自分の基本のフォルダに入れることです。当然のことですが、段階3までの基本が身についていないと、いつまでも「応用問題」のままで足踏みすることになってしまいます。

       

 

<段階5(偏差値60の基礎)>

問題を整理する

桃子さんは、山のふもとの駐車場を9時に出発して、毎時3㎞の速さで山頂まで歩きました。山頂

で30分間休憩してから、上りと同じ山道を毎時6㎞の速さで下り、下り道のちょうど半分の地点で

、川に笹舟を流しました。さらにそこから2㎞下った地点で、もう1そうの笹舟を流しました。川は山

道にずっと沿っていて、駐車場まで一定の速さで流れています。駐車場で桃子さんの帰りを待って

いたお父さんは12時24分に最初の笹舟を見ました。

桃子さんは12時30分には駐車場にもどり、すぐにお父さんの車に乗って、毎時60㎞の速さで

笹舟を追いかけました。山道沿いを流れていた川は、駐車場より下流ではゆるやかな流れに変わ

り、一定の速さで車道沿いを流れ続けています。

 

(1)駐車場から山頂までの道のりは何㎞ですか。

(2)山道沿いの川の流れの速さは毎時何㎞ですか。

(3)桃子さんが最初の笹舟を追い越してから次の笹舟を追い越すまでの時間は10秒でした。駐

車場から下流では、川の流れの速さは毎時何㎞ですか。

 

この問題に対して生徒の反応は3パターンに分かれます。

パターン1は「分からない」から何もしない

パターン2はとりあえずダイヤグラムを描き出す

パターン3は(1)をとりあえず解こうと問題を読み直す

 

指導方針としては、パターン1とパターン2の生徒をパターン3にすることです。問題をよく読むとい

うことは、実はかなり高いレベルの基礎となっています。(1)だけに集中させ、何度も読ませます。

その過程でダイヤグラムを描くというのは非常に良い傾向です。

 

「桃子さんは9時に毎時3㎞で出発し、頂上で30分休み、帰りは同じ道を毎時6㎞で12時30分に

駐車場につきました」という問題になることを発見させます。

こうなるとあとは簡単です。段階3までの基礎力がついていれば、行きと帰りのかかった時間の比

が2:1となり、30分休憩しているので歩いた3時間を2:1で分けます。行きは2時間、帰りは1時

間、道のりは6㎞となります。

 

 

ここまで、段階1~段階5までの基礎力について説明しましたが、何よりも大切なのは生徒がどの

段階にいるのかを正確に見極めることです。段階1が出来ていないのに段階4の授業を受けてい

るという生徒も大勢いると思いますが、私は絶対にそのような指導は行いません。個別指導なら

ではの、確実に成績が伸びるように生徒の基礎力を高めていきます。

 

ご視聴ありがとうございました。